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最近人気のラジカル塗料とはどういうもの?シリコン塗料との違いとは

公開日:2023/02/15  最終更新日:2022/12/19


外壁を塗装するための塗料にもいろいろ種類がありますが、ここ最近もっとも注目されている塗料といえば「ラジカル塗料」があります。アクリルやウレタン、シリコンやフッ素などの塗料は聞いたことがあっても、ラジカル塗料は初耳という人も多いのではないでしょうか。ラジカル塗料とはどんな塗料なのか、くわしく解説します。

ラジカル塗料とは

シリコン塗料はシリコンが含まれている塗料、それならラジカル塗料だったら「ラジカル」が配合されているのでは?と思うかもしれません。しかしそれは不正解、ラジカル塗料にラジカルは配合されていません。実は「ラジカル」とは塗料を劣化させる原因となるもの、よくない影響を与えるエネルギーであり、ラジカル塗料を正しく表すとしたら「ラジカルを制御する塗料」となります。

塗料の塗膜を劣化させるラジカルを抑える働きをもつ塗料なので、ほかの塗料に比べて耐久性が高いことが特徴です。具体的には、ラジカルが発生するのを配合されている光安定剤と酸化チタンが抑制し、塗料の分解を防ぐことで劣化を遅らせることができます。

ラジカル塗料とシリコン塗料の違い

ラジカル塗料と外壁塗装でもっとも人気があるシリコン塗料、この2つの塗料を比較してみましょう。

配合の違いは?

シリコン塗料はシリコン樹脂に水と添加物、そして酸化チタンが配合されていますが、樹脂にシリコンを使用することでシリコン塗料と呼ばれています。

一方、ラジカル塗料には樹脂としてシリコンも使われますが、ほかにアクリルや無機フッ素なども使用することがあります。そのうちのひとつの樹脂に水・添加物、そして酸化チタンも配合されるのですが、シリコン塗料と違うのはその酸化チタンが「ラジカル制御型」の酸化チタンであるということです。

価格の相場は?

ラジカル塗料の場合は1m²あたり2,500~3,200円、シリコン塗料は2,300~3,000円くらいと、ラジカル塗料がちょっと高めですがそれほど差があるわけではありません。

耐用年数は?

ラジカル塗料は12~15年、シリコン塗料なら10~15年くらいなので、ラジカル塗料のほうが耐久性は高いといえるでしょう。

実績

シリコン塗料は現在もっとも利用されている塗料ですが、ラジカル塗料はまだ世に出てからが浅いため、実績はシリコン塗料のほうが豊富です。

製品数

人気があり多くの外壁塗装に選ばれているシリコン塗料は製品数も豊富、調色も淡彩色から濃色まで可能です。

一方でラジカル塗料はそれほど製品が出回っておらず、調色は淡彩色から中彩色とシリコン塗料より選べる範囲が狭くなります。

コストパフォーマンス

同じ面積の外壁を塗装する場合、ラジカル塗料のほうの費用が高めになるのですが、劣化しにくく耐久性が高いということで、将来的に塗り替えの回数は抑えられます。結果、シリコン塗料よりもラジカル塗料のほうがコストパフォーマンスがよいということになります。

ラジカル塗料のメリット

メリットについてくわしく見ていきましょう。

対候性が高い

ラジカルが発生するのを抑えることで、塗料に配合されている樹脂がダメージを受けにくくなるため、塗膜が劣化するのを抑制できます。塗膜が劣化することで起こる外壁の変化に白い粉が浮き出てくる「チョーキング現象」がありますが、このようなチョーキング現象の発生を抑える効果も期待できます。

コストパフォーマンスがよい

シリコン塗料と比較して少し価格が高いラジカル塗料ですが、耐用年数はシリコン塗料よりも長くなるので、コストパフォーマンスがよい塗料だといえるでしょう。

下地を選ばない塗料である

塗料によっては、塗る外壁(下地)との相性がよくなければ使用を避けたほうがいい場合もあります。たとえば、モルタルのようにひび割れしやすい外壁の場合は、塗膜が硬いものだと塗装もひび割れやすくなります。ラジカル塗料ならモルタルにも問題なく使えるうえ、コンクリートやアルミ、サイディング、木部などどのような素材・部位でもOKです。

汚れがつきにくい

親水性が高い塗料なので、汚れがつきにくいというメリットもあります。

ラジカル塗料のデメリット

メリットがある一方で、デメリットもあるので把握しておきましょう。

実績が少ない塗料である

塗料の中では歴史が浅いラジカル塗料は、国内で使用した場合の劣化具合もそれほどデータがそろっているわけではありません。実績が少ないということですが、施工する塗装職人もラジカル塗料を使用した経験がない、ノウハウがないということもあるかもしれません。そういう理由から、外壁塗装をラジカル塗料で依頼しても断られる可能性があります。

販売されている製品の数が少ない

まだ新しい塗料であるため、製品の数も少ないので自分の条件にぴったり合うものは見つけにくいかもしれません。

色が限られてしまう

配合されている成分の酸化チタンという顔料が、白色ということで濃い色に調色できません。

まとめ

外壁塗装ではメジャーな塗料であるシリコン塗料よりも多少価格が高いのですが、ラジカル塗料はコストパフォーマンスがよいことで注目されています。まだ実績が多いとはいえないものの、シリコン塗料とそれほど大きくは変わらない費用ですみ、将来の塗り替え回数を抑えられることなどを考えると、今後はラジカル塗装が増えていくと予想されます。しかし、まだそれほど施工実績がない塗料なので、施工する塗装業者は経験・知識ともに豊富であることをチェックして依頼するようにしてください。

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